ポンすけのブログ

アラフォーのSEです

【学習】PM試験に向けて - 予算管理

2021年10月の情報処理試験で、プロジェクトマネージャを受験したいと思っています。

今回は予算管理についてのメモを。

 

スケジュールと同様、これも大体、予定通り行かないんですよねぇ…。増員したり手戻りが発生したりで絶対当初予定より増えてしまうので、バッファを積んでおくことが重要です。ただ、どの程度積んでおけば良いのか、またそれを上位層やクライアントに説明できるようにしておかないといけないのが悩みどころ。

 

予算管理は以下の流れで行います。

  1. コスト・マネジメントの計画
    ⇒ どんな手法でコストを見積もる(生産性基準値を使用、ファンクションポイント法を使用、過去の類似案件より算出、など)のか、費やされたコストの予実はどのように管理するのか、予算超過時の手続きはどうするか、などを計画する。

  2. コストの見積り
    ⇒ スコープ・ベースライン(※これはまた今後出てきます)に基づいて、プロジェクト推進に必要なコストを見積る。人的コストについては、資源管理における要員見積りが元ネタになる。

  3. 予算の設定
    ⇒ 見積もったコストについて、いつどれくらい消費されるのかを時系列で整理していく。これが "コスト・ベースライン" となる。

  4. コストのコントロール
    ⇒ コスト・ベースラインと、実績コスト消費との比較(EVMを使うことが多い)を行い、コストの先食いなどの問題が発生していれば原因を追究し、改善を図る。スコープ変更に起因するものであれば、必要に応じて変更要求を出し、コストに対する変更をコントロール(変更管理)する。

 

経験上、変更管理によるコスト増は完全には認められないことが多い(発注側から"不具合"にこじつけられたり、変更管理に係る調整工数の方が大きいので、もういいややっちゃえ、となったり)ですね。予算管理自体に工数が掛かるのが結構しんどいところです。

 

ちなみにEVMは、大体以下3つの指標を使います。

  • 計画価値(PV:Planned Value
    ⇒ 該当期間までにコストがいくら消費されるかの計画

  • 実コスト(AC:Acctual Cost)
    ⇒ 該当期間までにコストがいくら消費されたかの実績

  • 達成価値(EV:Earned Value★これがEVM手法での偉大な発明
    コストいくら分の成果が出ているかの実績。実際、効率よくタスクを進められれば、予定より少ないコストで多く進捗した、ということもあり得る。

 

コスト差異(CV:Cost Variance)は単純に、「EV-AC」で表現できます。一方で、スケジュール際(SV:Schedule Variance)については「EV-PV」で表現できます。なんでやねん、ってちょっと思いますが、EVは計画コストに対する成果なので、EVが低い(成果が低い)=進捗が予定通り進んでいない、と捉えることができるからです。

 

CVの応用として、コスト効率指標(CPI:Cost Performance Index)というのもあります。EV/ACで表現できます。同じようにSVの応用として、スケジュール効率指標(SPI:Schedule Performance Index)というのもあります。EV/SVで表現できます。

これらは差異ではなく割合で表す形にしただけで、1を上回るか下回るかで、予定に対して順調なのか問題があるのかを分析できるという点では、やりたいことはほぼ同じです。

 

他にも、以下のような指標もあります。

  • 完成時総予算(BAC:Budget At Completion)
    ⇒ PJ期間全体でコストがいくら消費されるかの計画(つまりPVの合計値)

  • 完成時総コスト見積り(EAC:Estimate At Completion)
    ⇒ PJ期間の途中で、その期間までの実績に基づいて、その延長線上で最終的にいくら消費されそうかを見積もったもの。これの推移が増加傾向にあったり、BACを超過する(=次のVACがプラスになる)ようであれば問題となる。
    ⇒ ちなみに、これの算出が一番めんどくさい。AC+(BAC-EV)/CPI、で表される。なんでこの式なの?と言われると、説明がややこしいが、最初のACはこれまでの実コストであり、これに今後の見込みを足せばよいということになる。で、この今後の見込みというのは、あといくら分のタスクが残っているのか(これは総予算BACから達成価値EVを引い手元円られる)を求めてから、それをこれまでのコスト効率指標で割ればよいということになる。

  • 完了時差異(VAC:Variance At Completion)
    EAC-BAC、で表される。これは単純に、プラスなら予算超過、マイナスなら予算内ということになる。 
  • 残作業効率指数(TCPI:To Completion Performance Index)
    ⇒ BAC, EACを達成するために残作業によって達成しなければならないコスト効率(つまり単位作業当たりのタスクを、コストいくら以内で進めないといけないか)のこと。残作業(BAC-EV)/残資金(BAC-AC)、で表される。

 

EVM、ホントいろいろな指標があって、ややこしいですよね…。